「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」はダメ男の人生も変える
やそはらです
食べることは、生きること。
料理ができないー
そのせいで、自信を持てなくなっていた。
年齢も職業もさまざまな女たちが、励ましあい、泣き、笑い、野菜を刻む。
10人の人生を賭けた、リベンジがはじまる。 帯引用
食べるということは人間が生きて行く上で当たり前のことなのに、料理をするということは当たり前のことではなくなってしまった。今の世の中じゃあ安い外食屋はあちこちに見かけるしコンビニでは温めてもらうだけですぐに食べられるものがあふれている。スーパーの冷凍庫には電子レンジで温めるだけの料理とは言えないような食べ物がある。こんな世の中なら料理ができなくても誰だって生きていけるはずだ。
しかしこの本の中に出てくる女性たちは、料理ができないことで自信をなくしてしまっている。そもそも料理を仕方をわからないままだったり、過去のたった1回の失敗を引きずってしまい台所に立つのが怖くなってしまったりと理由はさまざまだ。
そんな彼女たちとともに立ち上がったのが著者のキャスリーン・フリンであるが、とにかく彼女たちの料理に対するネガティブな気持ちから解放させることに努力している。
野菜を切ることの楽しさ、缶のスープや安い調味料に含まれている化学調味料の味、普段食べているものが実際にどんな風に作られているかなど、食べることに対して楽しく意味のあることだということを語っているのだ。
自分も社会人になって一人暮らしを初めてもうすぐ10年経つ。自炊も手慣れたものでちょっと趣味と言えるくらいのことはできる。しかし、最近は疲れやめんどくささを理由に弁当や出来合いのもので済ませてしまっていることが多かった。それだけが理由ではないはずだが体重が増えたり疲れが取れにくかったりしているような気がする。
この前に読んだ本でも食べることに対する意識をもっと持たないとと考えていたばかりだった。
別に料理ができないことが問題じゃない。
料理ができないことで人生に自信を失ってしまっていることが問題なのだ。
すべての料理教室が終わって彼女たちが変わったのは料理への取り組み方だけではなく彼女たちの人生だった。今までの食べ方ではいけないとわかっていながら一歩踏み出すことができない状態から抜け出すことによって自分の生き方に自信が生まれた。彼女たちの人生は確実に変わったのだ。
さて自分の人生はどうだろうか?
ダイエットやら仕事のめんどくささなどの理由をつけて料理をすることから少し距離ができてしまっているような気がする。料理をすることはもっと楽しいことのはずだ。
この本でダメ男の人生も変えていくのだ。
だって人生はもっと素敵なことのはずだから。